天童市の歯医者 さいとう歯科医院です。当院では歯周病治療をとても重要に考えております。なかなか治らないとお悩みの方は、是非一度お問合せください。

診療予約メール
診療相談メール
お問い合せ番号:023-655-7997

歯周病治療

歯周病ってどんな病気なの?

永久歯の抜歯原因調査報告書

歯周病は、風邪と同じ細菌が原因で起こる感染症ということをご存知でしょうか?
歯周病は歯の周囲組織が破壊されていく病気で、日本人の約8割以上もの方が歯周病であると言われており、そのうち4割の方が、歯周病により歯を失っています。
歯周病は適切な治療を行わない限り、決して治ることはありません。歯周組織の破壊を抑制できなければ、最終的には歯を失ってしまいます。

そして、歯周病は初期の段階では、ほとんど自覚症状があらわれません。歯茎から血が出たり、口の中がネバつく程度の症状なら大丈夫と思いがちですが、歯周病の治療は、初期の段階ほど治りが早く治療効果も大きいのです。

歯周病は早期発見が大切です

さいとう歯科医院では、初診時に歯周病の疑いのある患者様には、「歯周病菌検査」「歯周ポケットの測定検査」「動揺度検査」を実施しております。これらの検査を行うことで、歯周病の進行具合を把握することができます。

私は大丈夫と思っている方には、特に検査をお勧めします。
それは、検査で歯茎からの出血が多い方に、食事や日頃の歯磨きなどで出血に気づいていたかお聞きしてみると、「今まで出血したことはない」と返答される方が多いためです。歯周病にご自身で気づくことは非常に難しいことなのです。

患者様、歯科医院のどちらかだけが頑張っても、歯周病は治りません。患者様との信頼関係を築き、一緒に治療していくことが、当歯科医院の歯周病治療です。歯周病についてしっかりとご説明し、早期発見・早期治療で歯周病の改善に取り組んでおります。

歯周病の様々な症状

歯茎が赤く腫れている

歯茎が赤く腫れて、プヨプヨしているようなら、歯周病の初期症状が出ています。
ご自身で適切な歯磨きを行うことで改善する場合もありますが、すぐに再発しますので、歯科医院での検査をお勧めいたします。

歯茎から出血する

歯磨きの際や硬い物を食べたときに、歯茎から出血があります。歯ブラシや歯茎に血がついていたら要注意です。
歯周病になると、歯と歯茎の隙間が深くなり歯周ポケットができます。そのポケットの中で炎症が起こり、刺激することで出血してしまいます。こうなると、既に歯周病は進行していますので、すぐに治療を行いましょう。

口の中がネバネバする

歯周病菌が唾液に含まれると、唾液がネバネバして不快感が出てきます。
粘つく唾液でいることで歯に歯垢が付きくやす、より虫歯や歯周病になりやすくなります。
デンタルリンスなどを使用しても改善しないようであれば、歯周病を疑いましょう。

口臭があると言われた

口臭の原因の8~9割は、口腔内にあると言われています。
歯周ポケット内で歯周病菌が繁殖し、膿が出ることで強い口臭となります。本人は口臭に慣れてしまいますから、自分では全く気づきません。そして、デリケートなことですから家族でも指摘しにくく、知らぬ間に歯周病が進行してしまう恐れがあります。

歯と歯の隙間にいつも物が挟まる

歯周組織が破壊され組織のバランスが崩れると、歯と歯の隙間ができ、物が挟まりやすくなります。
この状態でもまだ治療を開始していないと、噛み合わせはどんどん悪くなり、隙間に挟まった物の上からさらに物が押し込まれ、歯茎に圧力をかけるようになります。度重なる圧力で歯周組織の破壊が進行し、歯槽骨の後退を誘発しいていきます。

触るとグラグラ(動揺)している歯がある

歯は歯根膜というクッションで歯茎と繋がっていて、健康な歯でも自然に動くようにできています。しかし、歯周病になると歯周組織が破壊されるので、クッションがなくなり、歯がグラグラ揺れるようになってきます。舌や指で触るだけで歯が動くようであれば、かなり進行していますす。このままでは近いうちに歯が抜けることになってしまうでしょう。

歯茎がやせて歯が長くなったように感じる

歯周病の進行により歯茎が下がってくることで、歯の根が見えてきて、歯が長くなったように感じます。歯の根が露出していますから、冷たいものがしみるなど自覚症状が出ているはずですので、これ以上進行する前に歯科医院へ行きましょう。

歯周病が進行する仕組み

お口の中には500種類以上もの細菌が潜んでおり、歯周病の原因となる細菌は10種類以上にもおよびます(歯周病菌とはこれらの細菌の総称です)。

歯周病とバイオフィルム

バイオフィルム

口腔環境が悪化してくると、歯周ポケット内に歯垢が増殖します。この状態を放置しておくと、歯周病菌にとって生息しやすい環境であるバイオフィルムという膜を生成します。
バイオフィルムは、表面が非常に強固で、抗菌物質や歯磨きでは除去することができません。

バイオフィルムの中で、歯周病菌は強い毒素を出し、周囲の歯茎をより攻撃するようになり、炎症を拡大させていきます。

「歯肉炎」と「歯周炎」

歯周病は進行の度合いによって、「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。
歯周炎は歯肉炎がさらに進行したもので、以前は「歯槽膿漏」と呼ばれていました。

歯肉炎 歯肉炎

歯周ポケットにバイオフィルムが付着して、歯茎が炎症を起こした状態です。
自覚症状はほとんどなく、歯茎がほんのり赤く腫れて、症状によっては出血もあります。
改善するためには、適切な歯磨きと歯科医院での定期的なPMTC(歯のクリーニング)が必要です。

歯周炎(歯槽膿漏) 歯周炎(歯槽膿漏)

歯肉炎が進行し、歯を支えている歯根膜や歯槽骨が破壊されます。歯がグラグラしたり、歯茎から膿が出るなどの症状があります。
歯を直接支える歯周組織が破壊されるため、歯を残すためには本格的な治療と患者様の努力が必要です。

歯周病の進行図

歯肉溝と歯周ポケット

歯肉溝と歯周ポケット

歯と歯茎の隙間を歯肉溝と言います。
健康であればその深さは2mm程度ですが、歯周病になると、歯肉溝に入り込んだバイオフィルムによって歯周組織が破壊され溝が深くなっていきます。
この深くなった歯肉溝は歯周ポケットと呼ばれ、歯周病の進行状態を見極めるバロメーターの一つとなっています。
重度の歯周炎になると、歯周ポケットの深さは10mmにもなることがあります。

歯周病は生活習慣病です

歯周病の要因

実は、歯周病が進行する要因は、歯周病菌の感染だけではありません。

  • 適切でないお口のケア方法
  • 日頃の生活習慣
  • 体調やストレス
  • 遺伝

など、様々な影響を大きく受けるため、最近では「生活習慣病」の一つとして認識されています。

毎日の仕事や無理のある生活習慣を繰り返していると、疲労やストレスが溜まり、自律神経のバランスが悪くなって体調を崩してしまいます。体調を崩してしまうと、免疫力の低下に起因する二次的要因で、口内炎ができたり、食べ物が消化しにくくなったり、アレルギー性の疾患をお持ちの方はそれが表面に現れたりします。風邪などの感染症にかかりやすくなるのもこの時期です。

歯周病にも全く同じことが言えます。
普段は何でもないのに体調が悪い時だけ歯茎が腫れるといった方がいますが、体調が良い時は免疫機能が働いているため歯周病が表面に現れないだけなのです。
日常生活の乱れやストレスの増大、喫煙などによる免疫機能の低下が強く影響します。
まずは、生活リズムや食生活・ストレスの改善、充分な睡眠、禁煙など、ライフスタイルを改善し、免疫力を高める生活を送っていくことが大切です。

全身疾患と歯周病

歯周病菌は、深くなった歯周ポケットから血液へ侵入し全身を巡ることで、重大な病気を誘発する恐れがあります。歯周病を改善することは、他の様々な病気の予防にもなるのです。
歯と歯茎だけの病気だと侮っていると、大変な事になりかねません。「お口の健康」は「全身の健康」へと繋がっていることを自覚しましょう。

歯周病が影響を及ぼす可能性のある病気やトラブル

糖尿病

血液中の血糖値が病的に高まる病気で、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。歯周病と糖尿病には互いの治療効果を妨げ合う関係があります。

誤嚥性肺炎

肺炎の原因菌が唾液や飲食物と一緒に誤って肺に入ってしまう(誤嚥)ことによって起こります。高齢の方に多い病気です。

細菌性心内膜炎
(感染性心内膜炎)

血管に進入した細菌が、心臓内の弁や心内膜、心筋に感染して起こる心疾患です。

虚血性心疾患
(心筋梗塞・狭心症)

血液中の細菌が原因となって、心臓の冠状動脈が損傷し血栓が形成されることがあります。これによって血流が滞り、心筋梗塞や狭心症の原因となります。

内臓疾患

血管より進入した細菌が腎臓や肝臓に感染することによって起こる疾患です。糖尿病との合併症が懸念されます。

早産や低体重児出産

歯周病を患う方の出産は、歯周病に対して起こる免疫反応と体内で発せられる出産信号が似ているため、母体の勘違いによる早産の危険性があります。

専門的な検査方法

さいとう歯科医院では、初診時と定期健診時に、歯周病検査を実施しております。
歯周病の症状が出ていなくても、3ヶ月~半年に一度は、定期健診を受けるようにしましょう。気づかないうちに歯周病は進行してしまいますから注意が必要です。

1.問診

問診

日頃のお口のケア方法について詳細をお聞きします。
歯周病は生活習慣と深い関係がありますから、飲酒や食生活、喫煙状況、仕事によるストレスなどに関してお聞きします。

2.歯周検査

歯周組織の状態や歯周ポケットの深さ、歯のぐらつき(動揺度)などを検査します。

歯周ポケット検査

プローブという器具を用いて、歯周ポケットの深さを測定します。

  • 健康な歯茎 : 深さが2mm以下
  • 初期 : 深さが3mm~5mm
  • 中期 : 深さが5mm~7mm
  • 重度 : 深さが7mm以上
歯周ポケット検査

歯周病になると歯肉溝(歯と歯茎の間の溝)が深くなり、歯周ポケットができます。
歯周ポケットの深さで、歯周病のおおよその進行状態を確認できます。

歯の動揺度検査

歯を水平方向、垂直方向に動かして動揺度を調べます。

  • 0度 : 正常。歯の仕組みとしての動きのみでほとんど動かない。
  • 1度 : 初期歯周病の状態。わずかに動揺する程度。
  • 2度 : 中等度歯周病の状態。前後・左右に動揺がみられる。
  • 3度 : 重度歯周病の状態。前後・左右と上下にも動く。
歯の動揺度検査

1本1本ピンセットで確認します。
歯周病になることで、歯を支えている周囲の骨が溶けてくるため、進行するほど歯のぐらつき(動揺)は大きくなっていきます。
動揺度が「3度」の場合、抜歯の可能性が高いです。

3.レントゲン検査

レントゲン検査

歯を支える歯槽骨の状態や歯周組織の炎症状態を把握するため、レントゲン撮影は必ず行います。
歯周病は進行すると複数の歯に及ぶため、パノラマレントゲンを用いて進行度合いを確認します。

4.口腔内プラーク検査

口腔内プラーク検査

歯垢を染める歯垢染色剤(染め出し液)を歯面へ塗布して、お口の中の衛生状態を調べます。より濃く染まった箇所は、日頃よく磨けていない箇所を示します。
歯周病はお口の中に残った汚れから始まりますから、日頃の歯磨きで苦手な場所を把握することは、歯周病を予防していくにはとても大切です。

5.歯周病菌検査

位相差顕微鏡による検査

歯周病菌検査

採取した歯垢を、位相差顕微鏡という特殊な顕微鏡にかけ、お口の中の細菌を観察します。顕微鏡で観察することで、患者様の持っている歯周病の原因菌やカビの種類を特定することができます。
細菌の種類や菌の多さから、歯周病になりやすいかどうか?今はどのような状態なのか?今後どの程度進行していくのか?などがわかってきます。

顕微鏡の映像はモニターでご覧いただけますので、最適な治療法のご説明や、今後、生活習慣をどのように変えていく必要があるかなど、丁寧にご説明いたします。

歯科医院で行う「歯周病予防」と「歯周病治療」

それでも歯周病の症状が現れてしまったら…?

ここまで何度もお伝えしてきましたように、歯周病の原因は細菌ですから、細菌の塊である「バイオフィルム」を除去できないことには改善されません。歯周組織を徹底的に清潔な状態にすることが、歯周病の基本治療と言えるでしょう。
日頃より、正しいプラークコントロール(歯磨き、デンタルフロスなど)を行い、お口の中を常に清潔に保つ意識がとても大切です。さらに、可能な範囲で生活習慣を改善し、免疫力を高めて行きましょう。

歯周病を治すためには、長期間、地道に努力を続けるしかありません。少し改善してきたからといって治療を中断したり、生活習慣が戻ってしまうことで、簡単に悪い状態に戻ってしまいます。自分が歯周病であることを自覚して生活を送りましょう。

歯周病は、患者様だけでは治すことのできない病気です。そして進行してしまった場合、歯が抜けるのを待つしかありません。ですから、必ず歯科医院での検査と定期的なメンテナンスを受けるようにしてください。歯科医院と患者様とが、互いに協力し合ってこそ改善していく病気だということを認識しましょう。

当歯科医院では、患者様の歯をお守りするために最大限の努力をしております。

歯科医院で行うプロフェッショナルケア

歯科医院で「お口の中を衛生的にする治療(プロフェッショナルケア)」を受け、その上でホームケアをきちんと行わなければ、歯周病はなかなか治りません。
歯科医院でしか行えないプロフェッショナルケアを定期的に受けましょう。

ホームケアとプロケア

①スケーリング(歯周組織のクリーニング)

歯の表面に付着したバイオフィルム(歯石・歯垢)を完全に除去します。
歯垢が石灰化した歯石の表面はザラザラしているため、バイオフィルムが付着しやすく、歯磨きでは除去できません。きれいに除去できても、不衛生にしているとまた付着しますから、定期的に歯科医院で除去する必要があります。

②ルートプレーニング(歯根面のクリーニング)

スケーリング終了後に、歯周ポケット内の歯根(歯の根)表面に付着したバイオフィルムを除去し、細菌によって汚染・軟化したセメント質や象牙質を取り除きます。
歯根面を滑らかにすることで、バイオフィルムの付着を防ぎます。
歯茎の深い部分を清潔にするルートプレーニングは、バイオフィルム除去の仕上げ作業と言えます。

③ブラッシング指導(歯磨きの説明と練習)

ブラッシング指導では、日頃の歯磨きの欠点(磨きにくい箇所など)を洗い出し、正しい歯磨き方法をご説明いたします。
定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアを行っていても、日頃のホームケアが不十分では、清潔なお口の状態を維持することは難しいでしょう。歯科医院には毎日通えませんから、ご自宅でのケアを怠ってはいけません。

④歯周病の応急処置(重度歯周病で来院された場合)

重度の歯周病で、すでに歯がグラグラ動いてしまうような場合、一時的に隣接する歯と一緒に固定する「暫間固定」という処置を行います。
この処置により、食べ物を噛む力や、ブラッシングの刺激に耐えられるようになります。

歯周病治療ではより多くの歯を残すために、その障害となる要因を応急的に取り除く必要があります。周囲の歯への影響を考慮して、数本抜歯しなければならないこともあります。
しかしながら、あくまでも応急処置ですので、必ず歯を残せるわけではありません。歯が抜けてしまってから後悔する前に、日頃から歯を大切にする生活を送りましょう。

⑤外科的治療(重度歯周病の治療)

すでに歯周病が重度に進行してしまっている場合には、顎の骨(歯槽骨)がこれ以上吸収しないよう、外科的な治療を行います。歯周ポケットが深くて歯石の除去が完全にできない場合や、歯茎が炎症を起こしてしまっている場合などに行います。
歯周ポケット掻爬術、フラップ手術、歯茎切除術、組織移植などがあり、診断結果に基づき適切な外科治療を行います。
歯周病治療の最終手段と言えるでしょう。

歯周病から歯を守るためのメンテナンス

歯周病が改善されたら、その清潔な状態をずっと維持していかなければ、せっかくの努力が消えてしまいます。
歯周病は、よく自動車の車検やメンテナンスに例えられますが、安全な環境を保つためには、お口の中にも定期的なメンテナンスが必要なのです。

以下、さいとう歯科医院で行っているメンテナンスをご紹介いたします。

お口の環境を整える ”PMTC”

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を用いて行う、専門的な歯とお口のクリーニングです。
歯磨きでは届かない場所で進行する歯周病を改善し、予防していくには、PMTCは最適な方法と言えます。口臭予防や、歯の着色(黄ばみ)を改善する効果もあり、とても気持ちが良いと好評です。

PMTC

お口の中を殺菌する”レーザー治療”

レーザー

炎症の起こっている歯周ポケットにレーザーを照射し殺菌します。
殺菌効果により歯周病菌を減らし、腫れや痛み、出血の抑制、膿を出すなど症状の回復を促します。
また、レーザーの活性化作用により、健康的で引き締まった歯茎を再生します。

歯周病治療で行う外科手術

歯科医師の指導によるホームケアと、歯科医院でのプロフェッショナルケアを行っても、歯周病の回復が見られない場合には、外科手術で対応することになります。

歯周ポケット掻爬術

歯周ポケットの深さが3~5mm程度の比較的初期の歯周病の場合に行う手術で、歯茎に麻酔をして、歯周ポケット内の歯垢や歯石を除去します。
肉眼で確認しながら行える手術ではないので、技術が必要です。

フラップ手術

歯周病が進行し、歯周ポケットが4mm~6mm以上の深さに達してしまった場合に行います。
この状態のままでは、深すぎて歯垢や歯石を完全に除去することができないため、切開した歯茎を歯槽骨から剥離させて、露出した歯根から直接除去します。視認しながらできるため、丁寧な除去作業が可能です。
歯槽骨を清潔にし、ダメージを受けた歯周組織を除去することで回復を促します。

歯周病治療の症例

症例1

歯周内科治療と、電解機能水「ドクタープラス」による治療を行いました。

歯周病治療 治療前

歯茎が赤く腫れて
ブヨブヨの状態です。

歯周病治療 治療後

歯茎の腫れが引いています。
引き締まっていて健康的です。